臨終の直後に連絡する相手は、ごく身近な関係者に限り、その他の人たちにはお葬式の日取りが決まってから連絡します。また、葬儀社、僧侶などにもただちに連絡します。
自家用車で移送しても法律的な問題はありませんが、その際死亡診断書を携行するようにしましょう。一般的には葬儀社やご加入の互助会に連絡して移送する方法が安全です。
納棺までの間は次のような手順で安置するようにしましょう。
喪主は遺族の代表として、故人にかわって弔問を受けることになります。普段は故人の配偶者か、既に成人し社会人として活躍している子供がつとめます。故人が子供の場合は、父母のいずれかが喪主になります。
最近の住宅事情では、自宅で葬儀をあげることがむずかしくなってきています。自宅以外の場所でお葬儀をあげられる場所としては、寺院、集会場、公民館、斎場などです。斎場には葬儀社所有の式場の他、公営の式場もあります。
葬儀が松の内にかかる場合や、故人が知名人で後日公葬を行なう場合には、「密葬」として、身内だけで葬儀を済ませ火葬に付すことがあります。この場合日を改めての「本葬」は遺骨をもって行なうことになります。
弔事用の袋に包み、「御経料」「御布施」などと表書きをして、お渡しします。お経料と戒名料は別々の場合もありますし、一緒に含めてお渡しする場合もあります。金額については、お寺との付き合いの 程度や、寺院の格などによっても異なります。率直に僧侶にお尋ねしても失礼にはあたりませんので、尋ねてみましょう。「志で結構です。」と言われた場合には、習わしを知っている方に教えていただくか、葬儀社でも大体の目安はお答えできると思います。
交通費が必要と思われる場合は「御車料」を、食事を出さない場合は「御膳料」を、相当する金額を別途に包むとよいでしょう。お葬式の斎場として寺院をお借りした場合は、その費用を「御席料」として支払います。
故人と自分との関係を考えて決めます。本来、通夜とは遺族や近親者、故人と深いかかわりのあった人が集まって別れを惜しむものですから、それほど親しくない間柄であれば告別式に出席する方がよいでしょう。また、告別式にはどうしても都合がつかず出席できないため、通夜にだけ出席するという場合もありますが、この場合は通夜の席上でその旨を告げ、お詫びを簡単に述べます。
「御霊前」は、亡くなられた御霊の前にという意味、「御仏前」は、仏様になられたその仏の前にという意味で、どちらも位置を指す言葉です。一般的に「御霊前」はすべての宗教に通用するとされています。ただし、香典包みで蓮の花の模様がある場合は仏式のみ使います。「御仏前」は、回忌の法要に供える金包みに使用します。
2〜3人の場合は連名で書きます。この場合、右側が上位となりますから年齢や職場での地位を考えて記入します。それ以上の人数の場合は、「○○一同」「○○有志」といった表書きにし、全員の氏名を書いた紙を金包みの中に入れておきます。
1本だけ立てるのが一般的です。2〜3本につけたときでも1本ずつ立てます。また、宗派によっては線香を立てずに、2〜3本に折ってねかせてたく場合もあります。
1回の香に心を込めるという意味で1回という場合や、焼香、従香で2回とする場合、「仏・法・僧」の3宝にささげるという意味で3回とするなど、宗派によって違いがあります。いずれにしてもあまり回数にこだわることなく、ささげる心を大切に考えて焼香しましょう。
仏教の世界では、死後49日間は中有(この世とあの世の中間の世界。中陰ともいいます。)を漂い、49日目の審判で死者の運命が決まるとして、この四十九日を重要視しています。この日を境に忌明けとなるとされていますから、近親者、知人、友人を招いて僧侶にお経をあげていただいて供養し、そのあと忌明けの宴を開きます。
故人が亡くなった次の年の祥月命日にまず一周忌を営み、その翌年に三回忌(一周忌以降は死去した年も入れて数えます。)、以下、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌、五十回忌、百回忌と続き、以下は50年ごとに法要を営みます。しかし実際には、十三回忌以降は省略して三十三回忌を行なうなど、大体三十三回忌までで終えることが多いようです。
菓子、果物、花、線香などの供物を持参しますが、すでに用意されている場合が多いので、昨今では現金を包んでいくことが多いようです。この場合、表書きは仏式なら「御供物料」「御仏前」「御香料」などとします。
仏壇は本来、信仰のよりどころとして備えるもので、位牌を納めるためのものではありません。従って不幸のあるなしにかかわりなく、いつ購入してもよいのです。「むやみに仏壇を購入すると不幸が起こる」などというのは根拠のない迷信です。 一般には新仏が出て初めて購入することが多いと思われますが、その場合はできるだけ四十九日の忌明けまでに用意し、開眼供養をします。
お中元やお歳暮はお祝いではありませんから、贈って差し支えありません。ただその時期が四十九日以内の場合は、少し期日をずらして贈るとよいでしょう。お歳暮などで四十九日以内になってしまう場合は、松の内が過ぎてから「寒中見舞」として贈るようにします。また、水引は紅白ではなく、白の奉書紙だけをかけて表書きをします。贈る側に不幸があった場合も同様です。